若林区調査中間報告

景観形成部門

移転問題は、災害危険区域の指定を受けているかどうかによって問題が大きく異なる。

防災林の復旧再生事業

東日本大震災の被害により甚大な被害を受けた太平洋沿岸。その海岸防災林の再生は必須問題である。というのも、海岸近辺は元々砂丘だったため、強い浜風や浜風による砂の影響が、農作物の生育や人間の暮らしに及んでいるためだ。
歴史的にも、防風と防砂、さらに防潮を目的として約400年前から植栽を始めたという経緯がある。また、その近隣地域では燃料や生活資源として木を利用し、林内ではきのこが採取できたため、防災林と人の暮らしは密接な関係にあったといえる。
ただし、燃料としての木の利用はしだいにされなくなったため、現在では植林は行われていない。最後に行われたのは昭和60年ごろである。

この事業の管轄は国。(林野庁・仙台森林管理署)
海岸防災林の復旧再生事業を担当し、仙台森林管理署の管轄範囲は仙台市から山元町までの森林部分。国有林と民有林ともに一括して行う。
はじめの5年間で森林ガレキ等を再利用して以前の防災林のあった部分に盛土をし、その5年でその上に植栽を行う。植える木の品種は「クロマツ」。

林野庁としては青森県~千葉県に至るまでの約1400キロに防災林を再生する計画(『みどりのきずな』再生プロジェクト)だが、事業の管轄主体はエリアによって異なること、状況の差などにより多少の工程の遅れは考えられる。
仙台森林管理署の担当部分は今年度中に蒲生~荒浜小学校北側の海岸付近、約50キロに盛土を完了させる予定。その後は予算が年度会計なので未定だが予算を付けるよう努力をする。なお、貞山掘よりも西側部分に関しても老齢林を植樹する計画がある。

イグネ・垣根などの事業


長喜城のイグネ (仙台市HPより)

仙台平野では家屋周辺に様々な樹木を植える「イグネ」と呼ばれる屋敷林がつくられてきたが、津波によりその多くが流され、住居は風や潮の影響を強く受けるようになった。
今後、営農再開をしていく上で、「イグネ」の再生は軽視できない課題の一つである。仙台市では自治体主体の緑化活動に対し助成を行っているが、地元主体の事業であれば助成可能である。これをうまく利用していく必要がある。


ひまわりプロジェクト

震災後の色彩に欠けた沿岸部に、少しでも彩を取戻したいという思いから地元の農家さん協力のもと、二木、荒浜地区の道路沿いの耕作放棄地に約二万本のひまわりを育えたプロジェクト。

防災~県道かさ上げ事業~

仙台市は先の津波災害に際して高架式道路が防災・減災面で一定の効果があったことを受け、将来予想される同規模の災害に備え、県道10号線(亘理塩釜線)の七北田川から名取川までの範囲をかさ上げすると決定した。かさ上げ道路は現行の道路から海側へずらされ新設される。道路は幅約10m、高さ6mの予定。道路の東西を連絡する通行路は作られない計画。現行の道路はそのまま側道として利用可能である。今秋から現地調査、地元住民への説明会を順次開催し、道路の構造や用地買収に関する意向調査を行い、平成25年度の工事着工を目指している。
同市では復興計画のなかで道路かさ上げの他に避難のための幹線道路拡幅、緊急避難施設の建設計画も進めている。


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